鍼灸師を目指す脱サラ男のブログ

元サラリーマンの中年が鍼灸師合格までを綴る日記

野球の投球過多について その2

前回の記事で、野球がスポーツの特性上ピッチャーに負担がかかってしまうこと、さらに甲子園などの公式戦で過密日程の問題について指摘した。

 

今回述べるのは、公式戦以外の問題である。特に、練習と練習試合(オープン戦)について、述べることとする。

 

まずは、練習について。

 

よく言われるように、アメリカなどでは肘や肩は「消耗品」という認識が広まっている。以前アメリカの独立リーグでプレーしたピッチャーによると、彼がアメリカでプレーしたときに、日本の高校野球などの実情を紹介したところ、チームメイトが一様にその運営に疑問を持っていたということであるが、これは日本(のアマチュア)球界の常識が世界の非常識ということである。

 

この「非常識」の問題は、公式戦だけに限らない。日本のスポーツ界全体に「練習は嘘つかない」という言葉によって、スポーツ科学・スポーツ医学的に見て非科学的なトレーニングがいまだに万延している。

 

例えば、甲子園でも優勝した経験のある某有名校の指導者は、練習は腹筋2,000回!から始めるとのこと(200回の間違いではない)。

 

また、昨年の夏の甲子園に出たある高校の指導者は、「時期によっては、練習の終了は日が変わってから」というのもあった。

 

他のスポーツの例では、昨年浦和レッズレディース藤田のぞみ選手がオーバートレーニング症候群にかかってしまい、引退を余儀なくされた。その際、日本代表にも選ばれたことのあるGK権田選手が「自分もなったことがあるので、他人事ではない」との主旨の発言をした。

 

実際に、シーズンを棒にするレベルの大ケガを経験したピッチャーに話を聞いてみても、「公式戦の登板間隔も問題だが、練習での投げ過ぎも問題だと思う」と教えてもらったこともある。

 

次に、練習試合(オープン戦)について述べる。

 

高校野球などでは、公式戦ばかりがクローズアップされるが、実は練習試合や特定のチームを集めての〇〇カップみたいな試合もある。その中には、遠征などの練習試合で他地域の超名門校との対戦が集中的に組まれたり、いくつかの名門校だけが集まって対戦する準公式戦的なカードもある。

 

また、大学では、大学あるいは社会人とのオープン戦が春の時期と夏の時期に組まれる。このときに、プロ注目の好投手になれば、格上と思われる大学あるいは社会人とのオープン戦になれば、そのピッチャーを起用することが多くなる。

 

高校でも大学でも、特定の好投手に、練習試合などで負担が集中してしまい、公式戦で影響が出た例は枚挙に暇がない(今年のドラフトで上位候補にもなっているあるピッチャーは、時期によって疲労の蓄積が出て成績が急降下したことが過去にある)。

 

前回に述べたように、公式戦の投げ過ぎはかなり問題である。しかし、公式戦以外でも、問題は根深い。

 

次回、私なりに考える好投手の育成と保護の問題を考えてみたい。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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